バーの営業許可は保健所へ|飲食店経営のための申請手続きと流れ
バーの開業には、物件探しや資金調達、コンセプト設計など様々な準備がありますが、
円滑な経営のためには行政手続きを正しく理解し実行することが不可欠です。
特に、食品衛生法に基づく「飲食店営業許可」の取得は、全ての飲食店の基本となります。
この許可は管轄の保健所へ申請を行います。
本記事では、バーの開業に必須である営業許可の申請方法や具体的な流れ、
そして深夜営業など、店の営業スタイルによって必要となる追加の届出や注意点について網羅的に解説します。
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バー開業に必須!まずは保健所へ「飲食店営業許可」を申請しよう
バーは食品衛生法において「飲食店」として扱われるため、
開業するには店舗の所在地を管轄する保健所へ「飲食店営業許可申請」を行い許可を得なければなりません。
この許可は、提供する飲食物の安全性を確保し、公衆衛生を守るために設けられています。
・店舗ごとに「食品衛生責任者」を置くこと
・保健所が定める施設の設備基準を満たしていること
が絶対条件です。
これから、許可取得のために必要な資格や設備、具体的な手続きのステップについて詳しく見ていきます。
取得の前提条件!「食品衛生責任者」の資格を準備しよう
飲食店営業許可を得るためには、
店舗に必ず1名以上の「食品衛生責任者」を設置する義務があります。
栄養士や調理師、製菓衛生師などの資格を保有している場合は、自動的に食品衛生責任者になることができます。
これらの資格がない場合でも、
各都道府県の食品衛生協会などが実施する「食品衛生責任者養成講習会」を受講し、
修了することで資格の取得が可能です。
講習会は通常1日で完了し、公衆衛生学や食品衛生学などの知識を学びます。
食品衛生責任者は、食材の管理だけでなく、厨房設備やトイレなどの衛生状態を維持管理する役割も担います。
開業を決意したら、なるべく早い段階で資格取得の計画を立てておくとスムーズです。
保健所の検査をクリア!お店に求められる設備基準とは
飲食店営業許可の申請後、保健所の担当者が実際に店舗を訪れて、施設が基準を満たしているかを確認する「施設検査」が実施されます。
この検査では、
- 厨房の床が清掃しやすい材質か
- シンクが2槽以上設置されているか
- 給湯設備があるか
- 従業員専用の手洗い器が適切な場所に設置されているか
- 食器棚に扉が付いていること
- トイレの衛生管理
など、多岐にわたる項目がチェックされます。
これらの基準は自治体の条例によって細部が異なるため、内装工事を開始する前に、店舗の図面を持参して管轄の保健所に事前相談することが非常に重要です。
検査に合格して初めて営業許可証が交付されるため、手戻りを防ぐためにも事前の確認が欠かせません。
申請から許可証交付まで!手続きの具体的なステップを解説
飲食店営業許可の取得手続きは、まず管轄の保健所への事前相談から始めることが推奨されます。
店舗の図面をもとに設備基準を満たしているかを確認後、必要書類を揃えて申請します。
主な提出書類は、営業許可申請書、営業設備の大要・配置図、食品衛生責任者の資格を証明する書類などです。
申請が受理されると、保健所の担当者と施設検査の日程を調整し、検査に立ち会います。
検査で問題がなければ合格となり、数日から1週間程度で営業許可証が交付されます。
申請から交付までは通常2週間から1ヶ月ほどかかります。
オーセンティックなバーからシガーバーまで、業態に関わらずこの手続きは必須であり、計画的に進める必要があります。
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営業スタイルで変わる!飲食店営業許可に加えて必要な届出
バーの開業において、保健所への飲食店営業許可は全ての店舗で必須となる基本の手続きです。
しかし、どのようなバーを経営したいかという営業スタイルによっては、この許可だけでは不十分な場合があります。
例えば、営業時間が深夜0時を過ぎる場合や、
ダーツやカラオケといった遊興設備を設置してお客様に楽しんでもらう場合など、
特定の条件下では警察署や消防署への追加の届出や許可申請が法律で義務付けられています。
これらの手続きを怠ると罰則の対象となるため、自身の店の運営方針を明確にし、該当する手続きを漏れなく行うことが重要です。
深夜0時以降も営業するなら警察署へ「深夜酒類提供飲食店営業」の届出を
深夜0時から日の出までの時間帯にお酒をメインに提供するバーを営業する際には、
飲食店営業許可とは別に、
警察署へ「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出しなければなりません。
これは風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)に定められた手続きで、
営業を開始する10日前までに届け出る必要があります。
この届出を行うには、
客室の床面積が9.5平方メートル以上(客室が1室のみの場合は例外あり)であることや、
客室内に見通しを妨げる高さ1メートル以上の設備がないことといった構造上の要件を満たす必要があります。
また、第一種・第二種低層住居専用地域などの住居系用途地域では営業が認められないため、物件選びの段階で必ず確認しなくてはなりません。
ダーツやカラオケも?「特定遊興飲食店営業許可」が必要になるケース
深夜0時以降にお酒を提供し、さらに客に遊興をさせる営業形態の場合、
「特定遊興飲食店営業許可」を警察署から取得する必要があります。
ここで言う「遊興させる」とは、
店側が不特定の客に対してダーツやカラオケ、ショーなどを積極的に勧め、店全体で盛り上げるような行為を指します。
この許可は、深夜酒類提供飲食店の届出よりも基準が厳格です。
例えば、客室の内部に見通しを妨げる高さ1メートル以上の間仕切りや壁の設置が原則禁止されているほか、騒音や振動が条例の基準値を超えないように防音設備を整えることも求められます。
許可が必要かどうかの判断は営業の実態に即して行われるため、該当する可能性のある営業を計画している場合は、事前に警察署へ相談することが不可欠です。
個人事業主として開業するなら税務署への「開業届」も忘れずに
法人ではなく個人事業主としてバーを開業する場合、
事業を開始した日から1ヶ月以内に、納税地を所管する税務署へ
「個人事業の開業・廃業等届出書」、通称「開業届」を提出する義務があります。
これは所得税法に基づく手続きであり、事業所得を申告し、納税するために必要です。
開業届を提出すると、高い節税効果が期待できる青色申告制度を利用できるようになったり、事業用の屋号名義で銀行口座を開設できたりといったメリットを享受できます。
保健所の許可とは異なり、税務上の手続きですが、健全な事業運営の基本となります。
飲食店営業許可などを取得していても、税務申告を怠ればペナルティの対象になるため、忘れずに提出しましょう。
これは無許可営業とは別の問題です。
収容人数が30名以上なら「防火管理者選任届」を消防署へ
お客様と従業員を合わせた店舗の収容人数が30人以上になる場合、
消防法に基づき、
防火管理者を定めて管轄の消防署へ「防火管理者選任届」を届け出る必要があります。
防火管理者とは、火災の発生を未然に防ぎ、万が一発生した際の被害を最小限に抑えるため、消防計画の作成や避難訓練の実施、消防用設備の点検などを統括する責任者です。
資格は、日本防火・防災協会などが実施する講習を受けることで取得できます。
店舗の延べ面積が300平方メートル以上か未満かで、必要な講習(甲種または乙種)が異なります。
お客様の安全を守ることは店舗経営者の最も重要な責務の一つであり、この手続きを確実に行わなければなりません。
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許可申請前に確認!バー開業で失敗しないための注意点
バーの開業に必要な各種許可や届出は、それぞれに申請先が異なり、細かい要件が定められています。
これらの手続きを円滑に進め、
開業後に「こんなはずではなかった」という事態を避けるためには、申請前の準備段階で確認しておくべき重要な注意点が存在します。
特に、物件の立地に関する法的な制約や、店舗の構造が法律に抵触しないかといった点は、後からの修正が困難、あるいは不可能な場合があります。
ここでは、契約や工事に着手する前に必ず押さえておきたいポイントを具体的に解説し、開業における失敗のリスクを減らすための知識を提供します。
お店の場所は大丈夫?出店できない「用途地域」を確認
バーを開業する物件を探す際には、その場所がどの用途地域に指定されているかを必ず確認する必要があります。
都市計画法によって、
街は第一種低層住居専用地域、商業地域といった
13種類の用途地域に分けられており、
それぞれの地域で建築できる建物や営業できる業種が制限されています。
バーなどの飲食店は多くの地域で営業可能ですが、
閑静な住宅街である第一種・第二種低層住居専用地域などでは、原則として開業できません。
さらに、深夜0時以降にお酒を提供する深夜酒類提供飲食店営業は、
住居系の用途地域では営業が禁止されています。
物件を契約する前に、市区町村の役所の都市計画担当部署などで用途地域を調べ、希望する営業形態が可能かを確認することが不可欠です。
| 用途地域 | 地域の特徴(イメージ) | 一般的なバー・飲食店(開業可否) | 深夜酒類提供飲食店営業 (深夜0時以降の酒類提供) |
| 第一種・第二種低層住居専用地域 | 最も閑静な住宅街 | × 原則不可 | × 不可 |
| 住居系地域 (中高層住居専用地域など) |
一般的な住居地域 | ○ 一定の制限付きで可能 | × 不可 |
| 近隣商業地域 | 住民の利便のための商業施設がある地域 | ○ 可能 | ○ 可能 |
| 商業地域 | 銀行、デパートなどが集まる主要な商業地 | ○ 可能 | ○ 可能 |
| 準工業地域 | 危険性の少ない工場と住居が混在する地域 | ○ 可能 | ○ 可能 |
| 工業地域 / 工業専用地域 | 工場地帯 | ○ 可能 | ○ 可能 |
警察の指導対象に?店内の構造や明るさの基準
深夜0時以降も営業するバーは風営法の影響を受けるため、店舗の構造や設備にも注意が必要です。
警察署への届出や許可申請の際には、店内の見通しを妨げない構造であることが求められます。
具体的には、客席から店内を容易に見渡せるように、高さが1メートルを超えるつい立てや間仕切りなどを設置することは原則として認められません。
また、店内の照明が極端に暗い場合も、風紀を乱す恐れがあるとして指導の対象となる可能性があります。
照度については明確な数値基準が設けられているわけではありませんが、メニューが読める程度の明るさは必要とされます。
内装デザインを決定する際には、これらの規制を考慮し、不明な点があれば事前に警察署の生活安全課へ相談することが重要です。
知らなかったでは済まされない!無許可営業の罰則とリスク
保健所の飲食店営業許可や、
警察署への深夜酒類提供飲食店営業の届出といった必要な行政手続きを経ずに営業を開始することは、
法律で禁じられた「無許可営業」です。
これが発覚した場合、厳しい罰則が科されます。
例えば、食品衛生法に違反して無許可で飲食店を営業すると、
2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
また、風営法違反の場合はさらに重い刑罰が定められています。
刑事罰だけでなく、
営業停止命令といった行政処分が下されることもあり、その場合、営業を続けることはできなくなります。
手続きの複雑さや知識不足を理由に申請を怠ると、事業そのものを失う深刻な事態を招きかねません。
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まとめ
バーの開業には、事業の根幹となる保健所への「飲食店営業許可」申請が不可欠です。
この許可を得るためには、食品衛生責任者の資格取得と、自治体が定める設備基準を満たした店舗の準備が求められます。
営業形態によっては、深夜0時以降の営業には警察署への「深夜酒類提供飲食店営業」の届出、
店舗の収容人数が30名以上になる場合は消防署への「防火管理者選任届」の提出も必要です。
さらに、物件を選ぶ際には用途地域の制限を確認し、内装工事では風営法が定める店舗構造の基準を遵守しなければなりません。
これらの行政手続きは、それぞれ要件や申請先が異なりますが、いずれも安全で適法な店舗運営を行うための土台となるものです。
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